キス魔なカレシ。

 「あれ?可憐ちゃんだ」
 「ふ、郁弥くん!?」

 うそっ!休日に会うなんて…。

 突然現れた郁弥くんに驚いてしまう。

 「何してるの?」
 「えっと、新しいリップクリーム買いにきたの」
 「ふ〜ん。そうなんだ。ねぇ、僕が選んで良い?」
 「えっ。まぁ、良いけど…」

 郁弥くんは、真剣な顔付きで物を見比べている。

 そんなに、真剣に選ばなくても良いのに…。

 「これに決めた」

 渡してきたのは、「チェリー味」と書かれている可愛らしいパッケージの物だった。