キス魔なカレシ。

 そして、結婚式当日。

 私たちは、教会で式をあげていた。

 沢山の来客者がいる中、私たちは近いの言葉を聞いている。

 それにして、タキシード姿の郁弥くんがカッコよくて、直視出来ないでいた。

 心臓がバクバクして、凄くうるさい。

 「それでは、誓のキスを」

 神父さんが、誓のキスを要求してくる。

 私たちは、お互いに向き合って、見つめ合う。

 「今日の可憐ちゃんは、凄く綺麗だ」
 「郁弥くんこそ、カッコよくて…。郁弥くんが旦那さんになると思うと、凄く嬉しいよ」
 「それは、僕のセリフだよ。ありがとう、僕を選んでくれて」

 郁弥くんは、今までにないくらいの笑顔で言ってくれた。

 「それじゃ、ベール取るよ」
 「うん」

 そういえば、誰かの前でキスをするのは初めてだなぁ…。

 今更だけど、凄く恥ずかしい…。

 郁弥くんは、私の頬に手を添えて、カッコイイ顔を近づかせる。

 それだけでも、私の心臓は早く脈打てうるさい。

 そして……

 ちゅう。

 キスをする。

 ほんの一瞬のキス。

 それでも、嬉しかった。

 籍も入れたし、これで正式に夫婦になることが、出来る。

 嬉しくて、泣きそうになる。

 どうか、これからもずっとずっと、郁弥くんと一緒にいられますように。

 「愛してるよ。可憐ちゃん」
 「私も、愛してる。郁弥くん」