「可憐ちゃん、こんな所にいたんだ」

 郁弥くんは、私の事を探してくれていたようだった。

 私は、郁弥くんとよくキスをしていた理科室にいた。

 「ここで、良くキスしたよね」
 「う、うん。」
 「可憐ちゃんは、僕と事故でキスした時どう思った?」
 「は、恥ずかしかったよ…。それに、まさかの恋人同士になるとは、思いもしなかったよ」
 「そうなんだ。僕はね、可憐ちゃんとキスした時、運命だっておもったんだ。僕には可憐ちゃんしかいないって」
 「運命…?」
 「そうだよ。こんなに、人を好きなるのは、初めてだったんだよ?」

 私だって、こんなに郁弥くんを好きになるとは思ってもいなかった。

 郁弥くんが言うように、運命なのかもしれない。


 「ねぇ、可憐ちゃん」
 「どうしたの!?」

 郁弥くんは、私の名前を呼ぶとその場に膝まづく。

 えっ!?どうして、膝まづくの…!?

 私は、いきなりの事で混乱してしまう。

 「僕と結婚してください」
 「えっ?」

 郁弥くんは、ズボンから小さいな箱をだして、開くと私に見せる。

 あったのは、指輪だった。

 そして、さっきの言葉…。

 「可憐ちゃん、僕と結婚するのは嫌?」
 「ううん、そんな事ないよ!」
 「じゃ、答えは…」
 「もちろん、私の方こそ結婚してください!」
 「良かった。指輪は僕が嵌めるね」

 郁弥くんは、立ち上がると指輪を手にとり、私の指に嵌めてくれた。

 指輪は、とても綺麗で輝いている。

 「いきなりで、びっくりしたよ」
 「言ったでしょ?卒業したら結婚しようって。まずは、婚約って事で、指輪を買ったんだ」

 やっぱり、本気だったんだ…。

 まさか、指輪を用意しているとは、思わなかった。

 凄く、嬉しくてどうにかなっちゃいそう…!

 「嬉しい?可憐ちゃん」
 「とっても、嬉しいよ!」
 「良かった〜。ふふっ。キスしていい?婚約記念として」

 なんて、言って、私の頬に手を添えると返事も聞かずに、優しいキスをする。

 「あれ?今日はチェリー味のリップクリームなんだ」
 「うん。郁弥くんとの思い出のリップクリームだから」
 「僕の事を考えてくれてたんだ。嬉しい」

 そうだよ?

 事故でキスしてから、その日から私は、郁弥くんの事で頭がいっぱいなんだよ?

 「それじゃ、帰ろっか僕たちの家に」
 「うん…!」

 私たちは、きっと一生一緒なんだ。