キス魔なカレシ。

 そして、ついに卒業式がやってきた。

 郁弥くんは、卒業生代表として皆の前でスピーチをしている。

 キリッとしていて、カッコイイ。

 誰しもが、郁弥くんに釘付けだ。

 そんな、カッコイイ郁弥くんが私のカレシだと思うと誇らしかった。

 「ーー以上。卒業生代表遠藤郁弥」

 郁弥くんのスピーチが終わると、拍手喝采がおこった。

 それぐらい、素敵なスピーチだった。

 そして、卒業式が終わった。

 私は、今までの郁弥くんとの思い出を思い出していた。

 郁弥くんと事故でキスしてしまった事。

 それが、きっかけでキスをする関係になった事。

 色々あって、恋人になれた事。

 全てが、私にとっては、大切な思い出。

 そんな、学校とさようならするのは、凄く寂しい。