キス魔なカレシ。

 レストランの料理は、相変わらずとても、美味しかった。

 受験を頑張ったご褒美だと思うと尚更美味しい。

 「郁弥くん、美味しいね」
 「うん。可憐ちゃんと一緒だと尚更美味しいよ」

 なんて、サラッと恥ずかしい事を言うのは相変わらずのようで、変わらない。

 「可憐ちゃんは、いつ結婚式したい?」
 「えっ!?」

 いきなり、結婚式の話!?

 「僕は、いつでも良いけど。まずは、卒業したあとかな?」
 「えっと、20歳になってからとか…?」
 「え〜。それは僕が待てないかも。大学生になったら、すぐにでも、結婚したいな」

 それは、早いのでは…?

 「駄目かな…?」

 なんて、郁弥くんは、甘えたように上目遣いで言う。

 か、可愛い…!

 何時もは、カッコイイのにそんな、表情も出来るなんてズルすぎるよ…!!

 「わ、分かった。良いよ」
 「ふふっ。やった」

 結局は、郁弥くんのおねだりに負けてしまって、承諾してしまった…。

 「楽しみだなぁ〜」

 本人は、楽しそうにして今にも、歌い出しそうだ。