キス魔なカレシ。

 どうやら、そのまま寝てしまったようで、起きたら郁弥はいなくなっていた。

 前に比べたら、体も随分と楽になっていた。

 これも、郁弥くんがつきっきりで、看病してくれたからかな。

 「あ、可憐ちゃん起きた?」
 「うん。あの、ありがとう。手握ってくれて」
 「どういたしまして。お粥作ったから、食べる?」
 「うん。食べたい」

 郁弥くんは、お粥を持ってきてくれた。

 「はい。あーん」
 「自分で食べれますけど!?」
 「駄目だよ。まだ、本調子じゃないでしょ?だから、僕が食べたせてあげるね」

 そんな、子供じゃないのに…。

 なんて、思いながらも素直に口を開ける。