キス魔なカレシ。

 二人暮しにも慣れた頃。

 運動会の時期がやってきた。

 でも、本番当時に私は、風邪を引いてしまい参加することが出来なかった。

 「可憐ちゃん、体調どう?」
 「朝よりは、良いかな」

 郁弥くんは、私の看病をする為にわざわざ休んでくれた。

 私のことは、気にしないでって言ったけど、「運動会より可憐ちゃんの方が大事」と言ってくれた。

 こんな時に、風邪引くなんてついてないなぁ…。

 「欲しいものとかある?」
 「ううん。今は大丈夫」
 「何かして欲しいことは?」
 「それじゃ、私が寝付くまで、手握ってくれる?」

 はっ…!私ったら、何言ってるの!?

 熱のせいで、ポロッと本音が出てしまった。

 「もちろん。お安い御用だよ」

 郁弥くんは、ベッドに近づいて私の手を握ってくれた。