キス魔なカレシ。

 「そ、そんなの郁弥くんに迷惑でしょ?」
 「迷惑なんかじゃないよ。どっちみち将来的には、一緒に住むんだから、それが早まっただけ」
 「でも…」

 せっかくのお誘いだけど、両親を説得することなんてできるかな…?

 それに、郁弥くんの両親に迷惑だってかける…。

 「僕の両親が許可するか心配?」
 「うん…」
 「なら、両親に電話して確認する?きっと、良いって言うと思うよ。僕の両親は、可憐ちゃんのこと気に入っているからね」

 そう言うと、郁弥くんは電話をかけ始めた。郁弥くんは、簡潔に用件だけ言うと、少し会話して電話を切った。

「お父さんに電話したら、僕たち用にマンション買ってくれるって。お母さんにも事情を説明してくれるみたい」
「マ、マンション!?」
「うん」

さらっと凄いこと言ってない!?

マンション買うって、どんだけ金持ちなの…!

「あとは、可憐ちゃんのご両親を説得するだけだね」
「大丈夫かな?」
「大丈夫だよ。僕が付いているから心配しないで?」

郁弥くんが、大丈夫って言うんだから、大丈夫な気がする。