チャイムが鳴って、玄関を開けると待ち人の郁弥が立っていた。

 「おはよう、可憐ちゃん。今日は一段と可愛いね」
 「そ、そうかな?」

 恥ずかしくて、前髪を触りながら言う。

 可愛いって言ってくれた…!

 頑張って良かった。

 「それじゃ、行こうか?お手をどうぞ」

 なんて、言いながら私に手を差し出してくれた。

 握った郁弥くんの手は暖かくて、安心する。