キス魔なカレシ。

 教室に戻ると、俊也が「どこに行ってたんだ?」と聞いてきたが、適当に誤魔化す。

 僕たちの関係は誰にも、秘密。

 僕たちだけのモノだから。

 そして、退屈な授業が終わって昼休みになった。

 可憐ちゃんの後を追うように、自動販売機まて行くと、どれを買おうか悩んでいた。

 悩んでいる姿も可愛くてどうにかなってしまいそうになる。

 惚れた弱みかもしれないけど、ちょっとした事でも僕の目には可愛く見えてしまう。

 可憐ちゃんが、いちごミルクを買おうとしているのが分かったから、ちょっとしたイジワルで勝手にボタンを押す。

 すると、可憐ちゃんは少し怒ったように後ろを振り返って僕だと分かると、驚いた表情をする。

 可憐ちゃんに、いちごミルクを渡すとその場で飲み始める。

 リップクリームもいちごだったし、可憐ちゃんはいちごが好きなのかな?

 その事を聞いてみると、可憐ちゃんは朝にキスした事を思い出したようで、いちごみたいに顔を真っ赤にする。

 今すぐにでも、キスしたかったけど流石に場所が悪いから、グッと我慢する。

 可憐ちゃんを見ていると、からかいたくなるんだよね…。

 僕は、俊也に呼ばれたから真っ赤な顔をしている可憐ちゃんを置いて、その場を離れる。

 全く…。

 タイミンが良いのか悪いのか分からないなぁ…。