可憐ちゃんとキスをしたのは、事故だった。

 廊下の角を曲がった時に、ぶつかってしまって支えきれず、僕の方へ倒れてしまった。

 その時に、僕と可憐ちゃんの唇が触れてしまった。

 そう、キスをしてしまったんだ。

 可憐ちゃんは、慌てて起き上がると顔を真っ赤にして廊下に落ちてしまったプリントを拾うと走り去ってしまった。

 僕は、ドキドキしていた。

 前に恋人だっていたから、キスするのは初めてって訳じゃないのに、僕の心臓は今までにないくらい、早く脈打っていた。

 服の上から、胸をぎゅっと掴む。


 「可憐ちゃんが僕の運命の人なんだ…」