キス魔なカレシ。

 「そうか…」
 「うん。本当にごめんね」

 小倉くんは、悲痛な表情をしている。

 私だって、恋がどれだけ大変で、辛いこともあるという事を知っている。

 失恋すれば、尚更。

 悲しみや胸の痛みは計り知れない。

 「失恋は、辛いね。でも、スッキリしたよ。可憐ありがとう。俺とはこのまま、友達の関係を続けても良いかい?」
 「うん。当たり前だよ」
 「可憐は、やっぱり優しいね…。さて、そろそろ彼の元に戻ろうか。きっと、凄く心配して待ってるよ」
 「そうだね」

 私たちは、郁弥くんの元へと戻った。

 「郁弥くん。待たせて、ごめんね」
 「可憐ちゃんどうだった?」

 郁弥くんは、不安そうに私たちを見つめる。

 郁弥くんだって、不安になる事があるんだ…。

 私が同じ立場でも、不安で仕方がないと思う。

 きっと、郁弥くんだって、同じ気持ちのはず。

 「バッサリと振られたよ。どうしても君が良いみたいだね」
 「当たり前でしょ?可憐ちゃんには僕が、僕には可憐ちゃんじゃなきゃ駄目なんだから」

 その言葉が凄く嬉しい。

 そうだよね。私は、郁弥くんじゃなきゃ駄目だ。

 私はこの日改まって、郁弥くんの事が好きだって再確認した。