キス魔なカレシ。

 文化祭当日。

 私のクラスは、プラネタリウムだから特にする事もなく、自由時間を過ごしていた。

 私は、もちろん郁弥くんと一緒に文化祭を過ごしていた。

 何時も付き纏ってくる小倉くんは、他校の女子に捕まって、久しぶりに学校で二人きりになる事が出来た。

 「可憐ちゃん。キスしても良い?」
 「うん…。良いよ」

 私たちは、誰もいない空き教室で、甘いキスをする。

 「ん」
 「ぅん…あっ」

 優しいキス。

 郁弥くんは、本当にカッコ良くて私には勿体ない彼氏だ。

 「あれ?リップクリームの味変わった?」

 目敏く、リップクリームの違いに気づく郁弥くんは流石だ。

 「うん。郁弥くんに選んで貰ったリップクリームが無くなったから、新しく買ったの」
 「そうなんだ。うーん、何の味だろ」

 郁弥くんは、唇を舌で舐めながら考えている。

 「あ、分かった。桃でしょ?」
 「うん。正解!」

 スカートとのポッケから、桃のリップクリームを取り出し渡す。

 「郁弥くんは、桃好き?」
 「好きだよ。でもね、可憐ちゃんの方がもっと、もっと大好きだよ」

 なんて、耳元で囁かれてドキッとする。

 「リップクリーム落ちちゃったよね。僕が塗るね」
 「うん…」

 郁弥くんは、私の頬に手を添えて、優しいしくゆっくりと唇に塗ってくれた。