キス魔なカレシ。

 私たちは、家に上がり花梨ちゃんの部屋の前に案内された。

 「花梨。お友達がお見舞いに来てくれたわよ」

 花梨ちゃんのお母さんが、ドアをノックすると部屋から花梨ちゃんが現れる。

 「友達?ーっ。何でアンタがいるのよ!!」
 「こら!せっかく、来てくれたのに!」

 まぁ。こういう反応になるよね…。

 「話があるの。部屋にお邪魔させて貰うね」

 納得していない花梨ちゃんを無視して、私たちは部屋に入るとドアを閉める。

 「ふ、郁弥くん。来てくれたんだ…。心配してくれたの?」

 どうやら、郁弥くんと小倉くんに気づいたようで、私に対する態度とは違い嬉しそう笑う。

 「心配なんてしてないよ。可憐ちゃんに着いてきただけだから。勘違いしないでくれる?」
 「以下同文」
 「〜〜っ」

 いや、ばっさり過ぎでは?

 花梨ちゃんが、今にも泣きそうなんだけど…。

 「ごほんっ。あのね、花梨ちゃん。花梨ちゃんの友達が心配してたよ?学校に来ないって」
 「別に、アンタには関係ないでしょ!」

 そうなんだけど…。

 「とにかく、学校に来たら?」
 「郁弥くんと付き合えないなら、学校なんて行く意味ない!!」

 いや、将来の為に学校には行った方が良いと思います。

 「いや、君とは付き合えないから」
 「案外お似合いなのでは?君が可憐と別れたら俺が可憐と付き合えるし」
 「別れないから。いい加減、君も諦めなよ」
 「ヤダ」
 「ヤダをヤダ」

 私と花梨ちゃんを置いてきぼりにして、二人は言い合いをする。

 漫才でも見てるみたい。

 「とにかく、僕と可憐ちゃんは別れない。だから君とは付き合えないし…。もう、こんな子ほっといて、帰らない?」
 「俺とデートしよう」
 「しないから。可憐ちゃんは、僕とラブラブデートするの」
 「もう、二人とも止めてよ」

 溜息しか出ないよ…。まったく。

 「でも、郁弥くんの言う通り、私たちは別れないから。花梨ちゃんも何時までも部屋に閉じ篭ってないで、学校に来たら良いんじゃないかな?」
 「行きたくない!郁弥くんじゃないと駄目なの!」
 「何で、そんなに僕にこだわるの?」
 「確かに。彼は腹黒だよ」
 「誰が、腹黒だって?」

 郁弥くんは、時々イジワルだけど…。腹黒なのかな?

 「だって、だって!!」

 ついに、可憐ちゃんは泣いてしまった。