キス魔なカレシ。

 流石に、言い過ぎだと思い、止めようとした時。

 「確かに別れの言う通りさ。こんな事をする人間は誰からも愛されたりしない」

 小倉くんが体育館裏の影から現れる。

 「小倉くん…。どうして?」
 「やぁ、可憐。君が複数の女子に連れて行かれたと凛さんが教えてくれてね。急いで後を追って来たんだ」
 「別に、僕一人で大丈夫なのに」
 「ヒーローは遅れてやって来るって…ね?」
 「はぁ?守ったのは僕だけど?」

 もう、こんな時に喧嘩して欲しくないのに…。

 「あの、もう教室に戻ろ?」
 「そうだね。君たちが消えないなら、僕たちが居なくなるよ」

 郁弥くんは、私の手を握ると女子たちを置いて、歩き始める。後ろから、小倉くんもやっ来て、さり気なく私の手を握る。

 「ちょっと…!何で君が可憐ちゃの手を握るのさ!離しなよ!」
 「いやぁ。可憐の事を慰めているのさ」
 「それば、僕の仕事だから!」
 「君はケチだね」
 「当たり前だろ!可憐ちゃんと手を握っ良いのは僕だけなの!!」
 「二人ともやめてよ…」

 そうは言ってみるけど、いつも通りの二人のやり取りに安心してしまう私がいる。

 「案外二人って、良い友達になれるのかも」
 「「それはない」」

 はい、全力否定いただきました。

 二人が友達になる日は、まだまだ遠いみたい。