「逃げないで?」

 甘い声が頭に響く。

 甘くて、甘くて、脳が溶けちゃいそうになる。

 「ふ、郁弥くん…」

 この声を聞いてしまえば、逃げる事が出来なくなる。

 まるで、魔法でも使っているようだ。

 「キスして良いよね?」
 「う、うん」

 拒否なんて出来ない。

 悪魔の誘惑。

 「ん」
 「…っ…ぅん」

 今日も、郁弥くんと甘いキスをする。