通話ボタンを押して、耳にかざしてみる。

ツーツー……お掛けになった電話番号は―

え?なんで?

電話は繋がらなかった。

亮くん…怒ってる…?

ど、うしよう……。

涙がジワリと滲んでくる。

だ、大丈夫っ、明日は合えるんだからっ、その時に話そうっ。

その日は亮くんの居ない静かな車にのせてもらって帰った。