情けない…。

自分のガキっぽさに落胆していると、となりのまなかから、うなされているような声が聞こえた。

まなか?

そっちを向いてみると、また涙を流してくるしそうにしていた。

「や……だ…りょ、くん……りょう…くん…行かないで…っ」

っ……!

彼女は今どんな夢を見ているのだろう。

俺もよくこの夢を見た、だから、なんとなく分かった。

真っ暗で、上も下も分からないような所で、背を向けられて、手も届かぬまま、歩いていってしまう