ホテルのほうも順調にプランニングが進んでいる。

名前も決まった。

最初リアムは由里という名前を入れたかったようで、フランス語で香しい百合とか美しい百合とかの候補もあったが、それなら百合の女王と言われるカサブランカにしてはと由里が提案した。

名前も覚えやすいしカサブランカの花言葉は純潔、威厳だ。

最高級のホテルの名前にぴったりだと思う。

そしてアメニテイやバスタオル、扉などにもカサブランカの花をつけるというのもおしゃれだ。

おしゃれなアメニテイは女性には必修だ。

名前は“RKOホテルズ・カサブランカ東京”に決定した。

東京をつけたことでリアムはこのカサブランカをほかの都市でも展開していこうと、考えているのではないかと思っている。

とにかくカサブランカにしたことで、主だった備品にはカサブランカの模様をつけた。

グラスにはカサブランカを彫り込んでもらったりカップ&ソーサーもカップの底にカサブランカを描いてもらったり、エントランスのガラスドアには豪華なカサブランカの花束をエッチングしたガラスをはめ込んだ。

あまりやりすぎるとよくはないが一つのブランドイメージとロゴがあることで、アメニテイや備品またホテルショップに置くグッズも、デザインがしやすかった。

内装だけでなく全てのことに、由里をリーダーに其のサポート役に日本人の女性スタッフを3人つけてもらった。

ホテルの工事を請負う建築会社のコーデイネーターと、客室係のベテランスタッフそして宴会やブライダルのスタッフ女性ばかり4人で、カサブランカ東京のコンセプトやチャペル客室の内装から各種宿泊プランや宴会、パーテイなどのベースプランを考えて決めていった。

そして三人にはその下にサポートのスタッフも付いた。由里が3人と主に打ち合わせをして、その決定事項に関してホテルの各部署に通達が行きそれぞれの部署で話し合いがなされそれがまた、由里まで知らされるというルートが確立された。

決まったこともすぐに伝達できてそれに関してのアンサーや問題点、また現場ならではの視点で出される提案やアイデアも直ぐに由里まで届く。

ホテルスタッフ一丸となってカサブランカ東京の準備は整って行った。

従業員も自分たちの意見も反映されトップダウンではない由里のやり方に、やる気が盛り上がっていった。

その手腕にはリアムもケンも舌を巻いた。