リアムの寄りたいところとは宝石店だった。
ハレウインストンの素晴らしい店内で、個室に通されて二人で結婚指輪を選ぶ。
婚約指輪もここで買ってくれたらしい。
結婚指輪が何点か用意されていた。
真ん中に1粒アクアマリンが入ったプラチナの指輪があった。
由里はいつもリアムの瞳を見ると、キラキラと輝く海の色アクアマリンを思い浮かべていた。
リアムには言ってなかったけれど…でもきっとアクアマリンの指輪は高いだろうから、何も石の入っていないシンプルなものでいいと思っていたら
「一番端にあった指輪が気に入ったんじゃないの?」
と由里の顔を覗き込むようにして尋ねた。
リアムってそういう所がとても鋭い
「リアムの瞳の色だなと思っただけよ。そんなに高いものじゃなくてシンプルなものがいいわ。これでどう?」
そう言って、何も石のついていないプラチナの指輪を手に取った。
「僕の瞳の色?」
「そうよ。これアクアマリンですよね。いつもリアムの瞳はアクアマリンのような海の色だと思っていたから…」
そう言って微笑むと、リアムは目を見開いて黙ってしまった。
それを聞いていたお店の人が、
「アクアマリンでしたら、他に素敵なのがあるんです直ぐにお持ちします」
と席を外してしまった。二人になると
「由里こんなところで僕を煽るなんて今日はどうなっても知らないよ」
と由里の耳元で低い声で囁いた。
そのセクシーな声に由里の体がぴくっと反応した。
そこにお店の人が戻ってきた。
手にはアクアマリンが一粒ではなくぐるっと間隔をあけて全体に埋め込まれているものを持ってきた。
アクアマリンが6個埋め込んであった。
1個でも高いのに6個なんてとんでもないと由里が断ろうとするとリアムが
「それいいね。いつも僕の瞳が由里を見守っているみたいだ。どんな男も寄せ付けないように…それにしよう」
リアムは上機嫌でその指輪を手に取った。
「でも、6個も多すぎるわ。結婚指輪なのよもっとシンプルなものがいいんじゃない」
「それでしたら、一つ置きにアクアマリンを配置することもできますよ。表に3個だけとかご自分の好きに配置ができるんですよ。オリジナルでお作りします。間にほかの石を入れることもできますよ」
と商魂たくましいお店のスタッフだ。
「それいいね。自分たちだけの結婚指輪が作れるよ。僕は由里の瞳の色の黒にしたい」
「ではブラックダイヤモンドを入れるのはどうですか?天然のブラックダイヤモンドをお入れできますよ」
ちょっとちょっと相手がリアムだからと言って、高額なものをお勧めしてくれなくてもいいんだけどと、由里は声には出さなかったが心の中で舌打ちしたい気分だった。
婚約指輪でしっかり使わせてしまっているので、結婚指輪にそんなお金をかけてもらいたくなかった。
根っからの庶民ですから…と心の中で反論する。
天然のブラックダイアモンドってどれだけするのだろう。恐ろしい…
「でもリアム、結婚指輪は何時もしているものだから。本当にシンプルなものがいいのよ。どんな服にも合わせやすし」
由里は必死に石なしのシンプルなものを手にリアムを説得しようと試みる。
「じゃあ、由里のは僕の瞳の色のアクアマリンで僕のはブラックダイヤモンドで一つ置きにしようか?」
とリアム。人の話聞いてやしない。
こうなったら由里がなにを言っても無駄だ。
リアムはもうお互いの瞳の色で作る事が決定事項になっている。
オリジナルということもポイントが高いようだ。
「ブラックダイヤモンドの石言葉は不滅の愛情です」
また、スタッフが余計なこと言ってるよ。
由里はもう溜息しか出ない。
「えっ、それ僕の気持ちにぴったりじゃないか!」
リアム大喜び。
「じゃあ、アクアマリンの石言葉は?」
とリアムは瞳をキラキラさせてスタッフに尋ねている。
「アクアマリンの石言葉は聡明、沈着というのがありますね。海をイメージさせる石ですから幸せを運ぶとも言われています」
「なるほど聡明ね、由里にぴったり」
リアムちょろいよ。
聞いているこっちが恥ずかしくなってくる。
もうお手上げ。リアムにお任せしよう。
由里は心の中でたっぷりとため息をついて、顔にはアルカイックスマイルを張り付けた。
ハレウインストンの素晴らしい店内で、個室に通されて二人で結婚指輪を選ぶ。
婚約指輪もここで買ってくれたらしい。
結婚指輪が何点か用意されていた。
真ん中に1粒アクアマリンが入ったプラチナの指輪があった。
由里はいつもリアムの瞳を見ると、キラキラと輝く海の色アクアマリンを思い浮かべていた。
リアムには言ってなかったけれど…でもきっとアクアマリンの指輪は高いだろうから、何も石の入っていないシンプルなものでいいと思っていたら
「一番端にあった指輪が気に入ったんじゃないの?」
と由里の顔を覗き込むようにして尋ねた。
リアムってそういう所がとても鋭い
「リアムの瞳の色だなと思っただけよ。そんなに高いものじゃなくてシンプルなものがいいわ。これでどう?」
そう言って、何も石のついていないプラチナの指輪を手に取った。
「僕の瞳の色?」
「そうよ。これアクアマリンですよね。いつもリアムの瞳はアクアマリンのような海の色だと思っていたから…」
そう言って微笑むと、リアムは目を見開いて黙ってしまった。
それを聞いていたお店の人が、
「アクアマリンでしたら、他に素敵なのがあるんです直ぐにお持ちします」
と席を外してしまった。二人になると
「由里こんなところで僕を煽るなんて今日はどうなっても知らないよ」
と由里の耳元で低い声で囁いた。
そのセクシーな声に由里の体がぴくっと反応した。
そこにお店の人が戻ってきた。
手にはアクアマリンが一粒ではなくぐるっと間隔をあけて全体に埋め込まれているものを持ってきた。
アクアマリンが6個埋め込んであった。
1個でも高いのに6個なんてとんでもないと由里が断ろうとするとリアムが
「それいいね。いつも僕の瞳が由里を見守っているみたいだ。どんな男も寄せ付けないように…それにしよう」
リアムは上機嫌でその指輪を手に取った。
「でも、6個も多すぎるわ。結婚指輪なのよもっとシンプルなものがいいんじゃない」
「それでしたら、一つ置きにアクアマリンを配置することもできますよ。表に3個だけとかご自分の好きに配置ができるんですよ。オリジナルでお作りします。間にほかの石を入れることもできますよ」
と商魂たくましいお店のスタッフだ。
「それいいね。自分たちだけの結婚指輪が作れるよ。僕は由里の瞳の色の黒にしたい」
「ではブラックダイヤモンドを入れるのはどうですか?天然のブラックダイヤモンドをお入れできますよ」
ちょっとちょっと相手がリアムだからと言って、高額なものをお勧めしてくれなくてもいいんだけどと、由里は声には出さなかったが心の中で舌打ちしたい気分だった。
婚約指輪でしっかり使わせてしまっているので、結婚指輪にそんなお金をかけてもらいたくなかった。
根っからの庶民ですから…と心の中で反論する。
天然のブラックダイアモンドってどれだけするのだろう。恐ろしい…
「でもリアム、結婚指輪は何時もしているものだから。本当にシンプルなものがいいのよ。どんな服にも合わせやすし」
由里は必死に石なしのシンプルなものを手にリアムを説得しようと試みる。
「じゃあ、由里のは僕の瞳の色のアクアマリンで僕のはブラックダイヤモンドで一つ置きにしようか?」
とリアム。人の話聞いてやしない。
こうなったら由里がなにを言っても無駄だ。
リアムはもうお互いの瞳の色で作る事が決定事項になっている。
オリジナルということもポイントが高いようだ。
「ブラックダイヤモンドの石言葉は不滅の愛情です」
また、スタッフが余計なこと言ってるよ。
由里はもう溜息しか出ない。
「えっ、それ僕の気持ちにぴったりじゃないか!」
リアム大喜び。
「じゃあ、アクアマリンの石言葉は?」
とリアムは瞳をキラキラさせてスタッフに尋ねている。
「アクアマリンの石言葉は聡明、沈着というのがありますね。海をイメージさせる石ですから幸せを運ぶとも言われています」
「なるほど聡明ね、由里にぴったり」
リアムちょろいよ。
聞いているこっちが恥ずかしくなってくる。
もうお手上げ。リアムにお任せしよう。
由里は心の中でたっぷりとため息をついて、顔にはアルカイックスマイルを張り付けた。



