そのあとは喜ぶ二人の笑顔に癒されて、由里は幸せを実感したのだった。

丁度クリスマスの時期と被りダブリンではクリスマスの装いがあちこちで見られた。

由里はリアムと観光を楽しんだり、グランマに簡単な日本食の作り方を教えたりしながら、ゆったりとした時間を過ごした。

日本から醤油やだしの素などの調味料やノリや乾麺などを、スーツケースに半分を占めるほど持ってきたのだ。

その量を見てグランマは目を丸くしていた。

カボチャやジャガイモの煮物や炒め物を中心に教えた。

特に肉じゃがはグランパの大好物になった。

肉じゃが用に肉を薄く切ってもらうように、肉屋に頼むことができて良かった。

無理ならミンチにしてもいいと思っていた。

またハンバーグにかける和風のたれを、ダイコンや玉ねぎのすったものと醤油みりんで作った。

それもグランパの大好物なのだ。これはステーキにかけてもおいしい。

グランマと一緒にたくさん作った。

さすがグランマはすぐにコツを覚え色々自分で、和風のソースをアレンジできるようになった。

そして充実した3日間を終え今度は二人の結婚式に、ニューヨークで会うことを約束して東京に戻った。

そのあとは裕司の自宅に招かれて洋子さんともたくさん話ができた。

二人に赤ちゃんが出来た事を知ってリアムは心底うらやましそうだった。

二人に会えてお祝いを言えて由里はうれしかった。

園には合間を見て2度ほど顔を出すことができた。

言うまでもなく2度ともリアムがついてきた。

でも子供たちはリアムにすぐになついて、リアムのおかしな日本語を一生懸命理解しようとみんな真剣な目をしてリアムを見つめていてほのぼのとしてしまった。

そしてシスターマザーに結婚式に招待するので、ニューヨークまで来てほしいとお願いした。

相馬には電話で話しご無沙汰を詫びてリアムとのことを報告した。

誤解がとけて良かったと喜んでくれた。

ぜひ結婚式に奥様とお越しくださいとお願いしたら快く承諾してくれた。

もとをただせば相馬が由里とリアムを引き合わせてくれたのだ。

私たち二人のキューピットなのだ。

そう言うと相馬は、えらく歳くったキューピットだなと笑っていた。