真夜中の償い

最後にグランマに電話をして由里と変わると、グランマは泣いていて由里にナタリアの時も今度の件もリアムがすべて悪いのだから、簡単に許しちゃだめよと言った。

でも、リアムの側にいてほしいと言ってくれた。

リアムにダブリンに連れてきてもらってほしい。

由里に会いたいと言ってくれた。

由里もグランパとグランマに会いたかった。

そう言うとリアムはすぐに会いに行こうと言ってケンに2日後のプライべートジェットの用意を頼んでいた。

本当にリアムの行動力には舌を巻く。

明日は由里の滞在先に荷物を取りに行って、ウイークリーマンションを引き払いリアムの泊まるホテルに、荷物を持ってくる事になった。

由里はすぐに管理会社に電話をさせられて、解約の旨を伝えることになった。

今までずっとゆったりとした日々の過ごし方をしていた由里は、リアムに再会してからのジェットコースターのような時間にただただ目を回すしかなかった。

その夜はリアムのスイートルームで朝まで抱きつぶされてシャワーも浴びずに、二人とも昼近くまで眠っていた。

起きてもリアムはご機嫌で由里を腕の中に閉じ込めて昨日自分がつけた印の後をなぞっていて、また由里を抱く羽目になり由里は声も枯れてしばらく起き上がれなかった。

遅い昼食をルームサービスでとって食事を終えると、タクシーを半日レンタルして横浜に戻りマンションの荷物を引き上げて来た。

スーツケース2個でニューヨークから帰ってきたのに、その後少しづつ荷物が増えてスーツケースと大きな紙袋2個分の量になっていた。

料理のために買った食材や調味料で日持ちのするものは持ってきている。

そんな由里にリアムはニコニコしてパッキングに付き合ってくれた。

ニューヨークに帰るにはもう一つスーツケースがいると言って、リアムがその辺で調達してきた。

リアムの休暇はまだ1週間以上残っているらしい。

それなら東京で裕司にも会いたいし園にも、もう一度行きたいし相馬にも手紙を出したきりなので会いに行きたかった。

だからダブリンから帰ったら由里は後からニューヨークに戻るのでリアムには先に戻っていてほしいと言ったのだが、リアムは頑として首を縦に振らなかった。

絶対帰るからと言っても、一緒に帰るの一点張りでダブリンから帰ったらまずは裕司と会うことを決めて相馬には電話を掛けることにした。

園には時間が空いた時に行こうと思う。

リアムもホテルの件で現地に出かけなくてはならず、由里も一緒に連れていかれた。

とにかくリアムは外にいるときは手を繋いで離さないし、ホテルに帰っても由里のそばを離れようとしなかった。

お風呂も一人で入らせてもらえず必ず二人で入る羽目になった。