裕司は洋子を安心させると直ぐに園に電話をした。
シスターマザーと言って由里が慕っていた女性につないでもらって、もし由里が園に来たらすぐに由里には内緒で、電話してほしいとお願いした。
「由里は昨日来たわよ。ニューヨークから帰ってきたと言っていたわ。とてもやつれていてそれでも、気丈にふるまっていたわ。子供たちと遊んで勉強を教えてくれて夕ご飯まで一緒に作って帰っていったわ。とても辛い事があったのだと思ったけど由里が言い出すまでは何も言わないでおこうと思ったの。聞いてもきっと言わないわね。由里だもの。自分の中で折り合いがついたらすべて話してくれると思っている。帰るときにぎゅっと抱きしめたら私に縋り付いて暫く泣いていたけど、もう大丈夫と言って帰っていったわ」
「そうですか。ありがとうございます。でも今度来たらぼくに必ず連絡するように言ってください。それとできるならさっき言ったこともお願いします」
そういって裕司は電話を切った。由里の心情を思うとやり切れない裕司だった。
裕司の強張った顔を見て洋子は今の電話の内容から、由里に何かあったのを感じたのだろう。
「どうしたの?由里さん大丈夫?」
「昨日園に行ったらしい。一日遅かった。何処にいるんだ。こんなことは初めてで何も助けてやれない。それが悔しい」
すっかり気落ちしている裕司を、洋子はしっかりと抱きしめて
「由里さんは強い人よ。どうしようもなくなったらユウ兄って頼ってくるわよ。それまで待ってあげようよ」
「そうだな。由里はちょっとやそっとではへこたれないよな。東京にいるらしいんだ。会いに来てくれればいいのに」
そうして、裕司は笹森を呼んで、由里の事を話して聞かせた。
いつも温厚な笹森なのに、由里を傷つけたリアムが許せないと、声を震わせて手を握り締めていた。
笹森は自分が絶対に由里を見つけてみせると、心の中で誓った。
シスターマザーと言って由里が慕っていた女性につないでもらって、もし由里が園に来たらすぐに由里には内緒で、電話してほしいとお願いした。
「由里は昨日来たわよ。ニューヨークから帰ってきたと言っていたわ。とてもやつれていてそれでも、気丈にふるまっていたわ。子供たちと遊んで勉強を教えてくれて夕ご飯まで一緒に作って帰っていったわ。とても辛い事があったのだと思ったけど由里が言い出すまでは何も言わないでおこうと思ったの。聞いてもきっと言わないわね。由里だもの。自分の中で折り合いがついたらすべて話してくれると思っている。帰るときにぎゅっと抱きしめたら私に縋り付いて暫く泣いていたけど、もう大丈夫と言って帰っていったわ」
「そうですか。ありがとうございます。でも今度来たらぼくに必ず連絡するように言ってください。それとできるならさっき言ったこともお願いします」
そういって裕司は電話を切った。由里の心情を思うとやり切れない裕司だった。
裕司の強張った顔を見て洋子は今の電話の内容から、由里に何かあったのを感じたのだろう。
「どうしたの?由里さん大丈夫?」
「昨日園に行ったらしい。一日遅かった。何処にいるんだ。こんなことは初めてで何も助けてやれない。それが悔しい」
すっかり気落ちしている裕司を、洋子はしっかりと抱きしめて
「由里さんは強い人よ。どうしようもなくなったらユウ兄って頼ってくるわよ。それまで待ってあげようよ」
「そうだな。由里はちょっとやそっとではへこたれないよな。東京にいるらしいんだ。会いに来てくれればいいのに」
そうして、裕司は笹森を呼んで、由里の事を話して聞かせた。
いつも温厚な笹森なのに、由里を傷つけたリアムが許せないと、声を震わせて手を握り締めていた。
笹森は自分が絶対に由里を見つけてみせると、心の中で誓った。



