真夜中の償い

4月に入って省吾がこちらに来た時に省吾と一緒についてきた相馬も呼んで、ケンやマットやミッシェルに真理子も加わって、ちょっとしたお披露目のパーテイをした。

シェフの見習いである真理子のご主人のジョンにも手伝ってもらって、和食にイタリアンがプラスされた華やかな料理でもてなした。

そして、由里は休みの日に広いキッチンで好きな料理が楽しめるのでご機嫌だった。

もちろんリアムがいつも夜にただいまと言って帰って来る時に、毎回抱きついてリアムの香りをいっぱい吸い込んでお帰りが言えるのが何より幸せだった。

そしてある日リアムは由里に、YSプランニングに仕事を依頼した。

11月にRKOカンパニーの10周年のイベントがあるので、そのパーテイのプランニングを依頼してくれた。

そしてもう一つ、今RKOが力を注いでいる東京のホテルの買収が済んだら全面改装でリニューアルをするので、その内装の相談にものってほしい事、プランナーとして宴会場の構成やプランなどにもかかわってほしい事、それをYSプランニングとして由里の会社に発注したいというオファーをくれた。

10周年のパーテイはいつものようにプランニングすればいいのでできるけれど、ホテルの客室の内装や宴会のプランなどできるのか不安があるとリアムに言うと“ここをやったじゃないか由里ならできるよ“と言われて、そうかこんな感じでコンセプトを決めてそれに沿った内装を提案すればいいんだと腑に落ちた。

ただ、どんなコンセプトのホテルになるのか実地状況、周りの環境など知っておかなければいけないことも多い責任重大ではあるが、でも楽しみでもある。

公私ともにリアムに支えられて、由里は孤軍奮闘してきた今までの人生で初めて人を頼る事のできる安心感、守ってもらえる幸せを感じていた。

リアムとの暮らしも新婚夫婦みたいで二人ともその甘さを楽しんでいる。

特にリアムは言葉でも態度でも由里に対する気持を、隠そうともしないので由里は時々うれしいながらも戸惑ってしまう。

顔面偏差値が高すぎる王子様みたいな顔をしたリアムが、甘い言葉で迫ってくれば由里には勝ち目がない。

いつもリアムのいいように持っていかれる。

せっかく作った夕食の前にベッドルームに直行なんて事もよくあるし、明日が休みの日には明け方まで寝かせてもらえないほど愛される。

そして由里の仕事のない週末にはロングアイランドの自宅に行って、ゆったりとした時間を二人で過ごしている。

由里はこんな幸せでいいのだろうかと時々怖くなる。

リアムに初めて会って約8ヶ月。

あまりの展開の速さには驚くばかりだ。

リアムに引っ張られてここまで来た感じがする。

それは決して嫌ではないのだが、由里はまだリアムの隣に立つことに自信がない。

リアムはそんな由里の自信のなさやリアムの一方的な愛情表現に戸惑う由里の事も、ちゃんと理解している。

それでも毎日由里に触れずにはいられないし、自分の気持ちを言葉で伝えることに躊躇しない。

そんな自分が少し意外だった。

ケンにはよく揶揄われている。