真夜中の償い

リアムはほとんどタッチしなかったが、出来上がったペンとハウスを見てさすが由里と称賛した。

寝室は田舎家風にドアも変えられている。

壁は腰板をはりその上ははがれかけた壁のイメージでモルタルアートしてもらった。

壁の塗りがはがれて下のレンガ積みが見えているように、アートを施してくれたのだ。

そんな風に職人が塗ってくれた壁は、ゆりの想像以上のアンテイーク感が出て感動した。

腰板は白でエイジング塗装をしてもらった。

イギリスのマナーハウスをイメージした寝室は、アンテイークの家具がぴったりの空間になった。

天井も高くとってあるので2本付け梁もつけた。

アンテイークの梁に見えるように傷つけたり削ったりして塗装をかけている。

ベッドもその雰囲気に合わせて四柱のある物を希望した。

サイズはキングサイズ、前のベッドがその大きさだったので小さくなるのはリアムが嫌がると思ったからだ。

でもそのサイズで由里の思うようなベッドを探すのにとても苦労した。

由里が一番こだわったのはこの寝室だ。

今までの寝室とは全く違った雰囲気にしたかった。

寝室だけは田舎家風の作りにしたが、他のところは腰高に装飾モールを回してその下の部分にチェアレールという少し細いモールを四角に飾りをつけて、ヨーロッパスタイルにしている。

腰下にはグレーの色を塗ってもらい上は白い漆喰を塗ってもらった。

漆喰は部屋の空気をさわやかにしてくれるそうだ。

洗面室やトイレにも漆喰を採用した。

キッチンはそのまま手を加えずに残した。

黒っぽいマーブル模様の大理石の天板に白いキャビネットと、床の白と黒のタイルが由里は気に入っていたのだ。

周りが変わったことで余計にいい感じになった。

床の白黒のタイルは斜めに格子張りされていて、よく雑誌に出てくる古いバーの床の感じが表現されている。

前は他がモノトーンのモダンな感じだったので、キッチンもモダンでエレガントな雰囲気だったが、他の部分がヨーロッパスタイルになった事で、少しパリの雰囲気が感じられる空間になったと思っている。

ソファーもダイニングテーブルもエレガントなものに変えた。

今まで使っていたものはケンや第2秘書のマットがもらってくれた。

このリフォームを通じてケンやマットとも仲良くなった。

リアムを支えてくれる二人なので気心が知れるようになって、由里はうれしかった。

ミッシャエルや真理子にも迷惑をかけたので工事が終わってここに落ち着いたら、みんなを呼んで由里の手料理でもてなしたいと思っている。

省吾が来る4月までにはこちらに移りたいので、由里は内装の打ち合わせを急ピッチで進めた。

そして工事の経過を確認する為に、仕事が終わってからも何度も立ち寄った。

カーテンや照明もカタログで選んだりインテリアショップに、自分で足を運んでこまごまとしたものも選んでいった。

ペントハウスによって工事の確認をしていて、床に座って寝てしまったこともある。

リアムに言うと心配するので内緒にしている。

リアムはその間は、ホテル住まいをしていた。

由里の部屋にいてはと提案したがそうすると由里が余計に大変になるし、狭い空間にはリアムの服だけでも入りきらない。

実際工事が始まるとホテルに住んでもらっていて助かった。

由里のほうが時々泊まりに行って、広いスイートルームでリラックスさせてもらったくらいだ。

ペントハウスは前の面影もなく変えることができたので、由里は大満足だった。

前の内装を知っているケンとマットは、その変わりように驚いていた。

リアムも満足のようだ。

ペントハウスはすっかり女性の色が濃くなって新婚家庭のようだと、ケンはリアムを冷やかしている。