真夜中の償い

ケンは報告書を持ってきてくれて少し話があるというので、書斎に行って二人で話をした。

由里にはまだ聞かせたくない。

ケンは由里にバラの花束を持ってきてくれた。

お見舞いに行けなかったので申し訳なかったと言って…ケンはリアムにとって公私ともになくてはならない秘書である。

由里はまだトレイをもっては歩けないので話が終わったらダイニングで、お茶を入れると言って用意をしてくれているようだ。

由里はリアムが由里のために1週間休んでくれたが、きっとその分ケンにしわ寄せがいっているだろうと思い、申し訳ない気分になっていた。

そしてわざわざロングアイランドまで書類をもってきてくれたので、何か至急の判断のいることなのだろうとリアムの仕事のことを心配していた。

でも由里にできることはないのでケンに時間があれば夕食を食べて行ってもらおうと思い、ケンの予定を聞いてみようと思い書斎に行った。

ノックを、しようとしたが中から”由里…母親  院長”と断片的に聞こえてきて

”うん??”どうしたらいいかわからずノックをしようと手を挙げたまま固まってしまった。

すると突然ドアが開き由里はびっくりして手を挙げたまま目をしばたかせた。

「どうした?」

と聞いてきたリアムに

「もしも、ケンに時間があるなら夕食を一緒に食べて貰えないかと思って、それを聞きに来たの」

と答えるとケンは

「ワオ最高。由里の手料理いつもリアムが自慢してくるので羨ましかったんですよ。ぜひお願いします」

とケンは嬉しそうに言った。

由里は腕によりをかけて料理をすると言ってリアムにそんなに張り切らなくてもいいよ。

“おにぎりだけで十分“なんていってケンにじと目で見られていた。

張り切って由里が作った和食をケンも大絶賛してくれた。

ケンが帰った後の3日間を二人は、誰に邪魔されることなくゆったりした至福の時間を過ごした。

夜には由里の体を心配しながらやさしく由里を抱いたリアム、いつも由里に寄り添って料理を一緒に作ってくれたリアム、そして毎朝リアムがジョギングを終えると由里のリハビリを兼ねて由里を散歩に連れ出すリアム、リアムのやさしさに満たされて由里は心身ともに癒されていった。

そしてリアムの休暇が終わると二人は、マンハッタンのペントハウスに移動した。

リアムはもう由里を一人にはしたくないと言って譲らず、どうしても由里がペントハウスが嫌なら引っ越すといった。

そこまでしてもらっては申し訳ないし由里の事務所からはペントハウスが近くて便利なので、由里はもう強情を張るのはやめた。
リアムはそのうちに由里の狭いアパートで一緒に暮らすと言い出すだろう。

まだ少し抵抗があるが由里はペントハウスに引っ越すことを了承した。