すべて弁護士に任せて由里は1週間病院にいる間、リモート会議でミッシェルや真理子に仕事の指示を出した。

しばらく現場に行けないのが残念だ。

心配しても仕方がないのでここは二人に任せることにした。

看護師たちは由里の恋人がリアムであると分かると、なれそめや普段のリアムはどんな風なのかとか色々聞いてきた。

リアムはどこにいても興味を持たれて大変だ。

自分の恋人はすごい人なんだと由里は大きなため息をついた。

そしてナタリアは悪い意味でマスコミに取り上げられていた。

由里はナタリアも十分に社会的に制裁を受けたので、自分は病院の費用とナタリアのせいでキャンセルになった分の損害だけ払ってくれればいい。

もうこれ以上由里に接触しなければそれでいいと思っていた。

弁護士はリアムと相談してよく考えてと言った。

今の時点でナタリアに要求できる一覧表を作ってくれて考えてみるようにと言った。

ここに書いてあるものは100%通ると思うと言う事だった。

合計金額はミドルからアッパーマンハッタンの部屋が、悠々買えるほどの金額になっている。

ただ半分以上がリアムの3日間の移動に対しての金額だ。

由里は自分のことに関してはチェックしておいた。

弁護士は示談で済ませてやるだけでも温情で司法に訴えれば必ず起訴されるし、場合によっては殺人未遂も適用される案件だと言った。

担当の医師がこれだけのケガで済んだのは奇跡だと言ったからだろうと思う。

でも由里は助かった。

それで十分だと思っている。

ただミッシェルや真理子そしてリアムやケンにマットまで、由里の為に迷惑をかけたのでそれだけが申し訳ないと思う。

そんな事を考えながらリハビリも兼ねて部屋の中を歩き回っていると、ドアの外が騒がしい。