大学時代、裕司が入学してからはよく3人で時間があれば会ってご飯に行ったり飲みに行ったりしていた。

3人とも合コンや遊びのゼミには所属しなかった。

人とつるむことが苦手だったのだ。

由里は彼の気持ちには全然気づかなかった。

裕司にそういうと由里は鈍感すぎるといわれた。

大学でも由里に寄って来る軽い男たちは、二人に牽制されて追っ払われていたらしい。

そんな昔の話をしながら飲んだり食べたリ4人で楽しんだ。

すっかりリアムと裕司は意気投合していた。

そして日付が変わる頃、裕司たちはマンハッタンのホテルに帰っていった。

明日は午後の便なので少しは眠る時間もあるだろう。

しっかり者の洋子が荷作りはすでに終えているらしい。

由里は今日ロングアイランドに泊まって明日早くにリアムと出社する予定だ。

片づけは業者に頼んであるので何もしなくていいとリアムに言われ早々にお風呂に入ってベッドでリアムを待っていた。

「明日早いので今日は寝るだけよ」

とリアムにくぎを刺したけれど、なんだかんだキスされたり抱きしめられたり触れられているうちに、そんなことも忘れて二人で愛し合い次の朝後悔することになるのだった。

そしてその時も由里を抱きしめて,眠りに落ちる前に“モグロー”といったのだ。

次の朝、”モグロー”ってどういう意味と聞くと、アイルランド語で”愛する人”と言う意味だと教えてくれた。

由里は”素敵な言葉ね”と言って、リアムにそっとキスをした。

もちろん、そこから離して貰えずまた、優しく愛されてしまったのだった。

リアムは由里のために下着や部屋着やちょっとした外出着をそろえてくれていた。

その用意周到さには驚くばかりだ。

それも由里の好みのものばかりで、さすが女性になれているとちょっと複雑な気持ちになった由里だった。

裕司からお礼のラインが届いていた。

帰りのタクシーで洋子がリアムがイケメン過ぎて、顔をまともに見られなかったと言っていたらしい。

由里はよくそんな超絶イケメンといつも一緒にいて平気でいられるなんて、すごいとも言っていたそうだ。

その気持ちはよくわかる。

由里も時々話していてリアムに見惚れてしまい、今何を話しているか忘れてしまう事があるからだ。

それからの日々はリアムも由里も仕事に忙殺されていた。

週1~2回食事に行って夜はリアムのペントハウスに泊まるのがやっとという状況だった。

冬はパーテイのシーズンでクリスマスパーテイのプランニングが毎週入っていた。

二人の初めてのクリスマスイブも会えるのは由里の仕事が終わる夜遅くになってしまった。