真夜中の償い

その夜日本時間でちょうどお昼になるころを見計らって由里は裕司に電話をかけた。

携帯の呼び出し音が鳴るかならないかのうちに

「由里?」

という裕司の懐かしい声が聞こえてきて、涙ぐみそうになる。

「なんだ由里どうした?恋愛相談ならあまり役に立たないかもな」

と揶揄って豪快に笑う裕司。

彼女がそばにいれば申し訳ないけどしばらく裕司と話していたかった。

リアムの事も裕司に話した。

やっと由里にも真剣に考える男が現れたのかと驚いていた。

相変わらず恋愛には及び腰になる由里に、事情を知っている裕司はいつもの自分らしく凛として立ち向かえと言ってくれた。

うじうじしているのは由里らしくないと言って笑っていた。

そして裕司の結婚の話になると結婚式は挙げないけど籍を入れて、ハネムーンにニュ-ヨ-クに行くといった。

「エエッ、いつ来るの?聞いてないよ」

と素っ頓狂な声を上げて焦る由里に

「今言った」

と言ってカラカラ笑っている。

相変わらずマイペ-スだ。

由里は彼女も大変だと内心思う。

裕司は本格的に寒くなる前、ちょうど2週間後の11月中旬に休みが取れそうだといっていた。

ホテルはこっちでとるから日にちがはっきりしたら、ラインをしてくれるように言って電話を切った。

11月の2週目ならクリスマスのセールやクリスマスの飾りつけやイルミネーションも楽しめる。

12月のようにそこまで寒くないのでちょうどいいだろうと由里はうれしくなった。

何年振りかで裕司に会える。

奥さんになる女性にも会えるのが楽しみだ。

リアムのことで悩んでいたのも忘れて予定を調整する算段を始めた。

ただ余裕がない。たったの2週間先だ。

もう少し早く言ってくれればいいのにとため息が出る。

由里が電話しなかったらきっと明日行くなんて電話が来る羽目になっただろう。

それから由里は交通の便と評判のいいホテルを、2~3ピックアップし裕司にラインで詳細を送った。

新婚さんを一部屋しかない自宅に止めることはできない。

ハネムーンなのだから、裕司には少し頑張ってもらって4つ星ホテルを推薦しておいた。

ハネムーンにあまりしゃしゃり出てはいけないので1日だけ時間をもらう。

観光に連れて行って夜は素敵なレストランでご馳走しよう。

来週はリアムとの約束があり裕司達とはその次の週になるので、ちょうどいいと考えてレストランのピックアップにも余念がない。