真夜中の償い

ええっと由里は素っ頓狂な声を上げた。

まさかリアムの自宅に招待されるとは思っていなかったのでちょっとびっくりした。

「マンハッタンのペントハウスに住んでるって何かの雑誌で見たので、そこが自宅だと思ってました。まさかロングアイランドにこんなに大きなお家があるなんて知らなかった。てっきり海岸に遊びに行くのだと思ってました」

「ここはほんとに親しい人しか知らないし祖父母と秘書のケンと大学時代の信用できる友人達の数人しか来たことがないよ。女性で来たのは祖母に次いで由里が二人目だ」

とリアム。由里は大きな目を真ん丸にして

「ええっ、それっていいんですか?私はどういう反応をすればいいのかわからないんですが…」

「そんなに難しく考えないで、由里ならここの事を言いふらしたりしないし連れてきたかったんだ」

そういいながらリアムは車をガレージに止めて由里を助手席からエスコ-トしておろした。

ガレージには他に3台外車が並んでいた。

クラッシックカ-もある。

動物のエンブレムのついたスポ-ツカ-も由里には車種はわからないがとてつもなく高いのは理解できた。

でも由里はクラッシックカ-に一番興味をひかれた。

「かわいい!これって走るんですか?」

車に駆け寄り意味不明な質問をする由里にリアムは声を上げて楽しそうに笑った。

「もちろん、気に入ったなら今度クラッシックカ-のツーリングに連れていくよ」

そういいながら由里の手を引いて玄関に向かう。

セキュリテイ-はしっかりとしている。

ガレ-ジに入るときもリモコン操作で暗証番号を入れてドアを開けていた。

玄関も番号と指紋認証が必要みたいだ。

ここにリアムは一人で住んでいるのかと、そのセレブっぷりに根っからの庶民の由里は唖然とする。

住む世界が違いすぎる。

由里は今更ながら手作りのお弁当が恥ずかしくなってしまった

家は平屋で一部小屋裏のような感じで2階になっている部分がある。

どうやらその部分にジムがあるらしい。

リアムのあの素晴らしい肉体美はここで作られているのかと密かに納得する由里だった。

薄いオレンジ色の瓦にクリーム色の塗り壁の外観は南仏風でやさしい雰囲気の家だ。

男性の一人暮らしという感じがしない。

子供が何人かいるファミリ-がすんでいるという雰囲気だ。そういうと

「うん、将来結婚して家庭をもってもいいかなあという感じで作ったんだ。5年くらい前かなあ。その後はそんなことも考えず仕事に忙殺されてここは僕の避難所になったんだ。自分で設計した家でプールの向こうに東屋があるだろう。あれは僕が作ったんだ。祖父が大工だったから子供のころはよくグランパにくっついて現場にも行ってたんだ。だから大工仕事は大好きなんだ。何もかも忘れて没頭できる時間だよ」

リアムは何かを懐かしむように由里に笑顔を向けた。

その笑顔にドキッとしたが、この家を建てたときは結婚を考えていた人もいたのかもしれない。

その人との結婚が無くなってきっと仕事に没頭していったのだろうと由里は心の中で妄想を膨らませていた。