「環奈」
 「なあに?」

 私は、奏斗くんに呼ばれて奏斗くんの方を向く。

 すると、奏斗くんは私の太ももに手を伸ばすと、抱き上げる。

 急に、高くなる視線に驚いて奏斗くんの首に腕を回す。

 これって、お姫様抱っこ!?いきなりすぎるよ!

 「ちょっ…!私なら、歩けるよ!?」
 「いいから、運ばれてろ」

 どうやら、下ろしてはくれないようだ。

 みんなが見てるのに、恥ずかしよ…!

 「奏斗、やるじゃん!」
 「おやおや」
 「わぁお〜」

 うぅぅ…。やっぱり、みんな見てるし…!

 私は恥ずかしいあまり、奏斗くんの胸に顔を隠す。