文化祭も終わり、肌寒くなった10月。

 私は、ひとりで帰り道を歩いていた。奏斗くんはブラックドラゴンの大事な集会に行っていないし、優奈ちゃんも塾があってひとりで帰っていた。

 それにしても寒いな…。カーディガン着てくればよかった…。

 「おい、お前」
 「はい?」

 後ろから声をかけられる。私が、ゆっくりと振り向くと、他校の制服を着た不良だちがいた。

 私は、怖くなって後退りしてしまう。

 「な、なんですか?」
 「お前が、竹永の女か?」
 「写真と同じだし、そうだろ」
 「めっちゃ、美人じゃん!」
 「着いて来てもらうぞ」

 そう言うと、不良のひとりが私の腕を乱暴に掴み、歩き始めた。