顔面Lv1000の私とキケンな総長の恋

　私は佐々木くんに言われた通りの場所へと行く。

　「名前なんですかぁ〜？」
　「ちょ〜イケメンなんですけど！？」

　確かに、奏斗くんは他校の女の子に囲まれていた。

　なんだか、胸がチクチクするな…。なんでだろ？

　私は、胸の痛みを不思議に思いながらも声をかける。

　「奏斗くん！ここにいたんだ！」

　すると、私に気づいて迷惑そうな顔をしていた表情を嬉しそうな顔へと変化させる。その表情に不覚にもドキッとしてしまた。

　「環奈。探してたぞ」
　「うん。ごめんね」

　私の登場に他校の女子は驚きの声を上げる。

　「えっ、彼女かな」
　「美人過ぎるでしょ」
　「敵わないわ〜。もう、行こう」

　他校の女の子はそう言うと、消えてしまった。

「可愛い格好してるな」
「そうかな？」

制服にエプロンを着ているだけだけどな…。

「私、そろそろ教室に戻るけど、奏斗くんも行く？」
「行く」

そうして、私たちは一緒に教室まで歩く。

「そう言えばね…」

私は、男の子たちに絡まれた事、佐々木くんが助けてくれた事を話す。すると、奏斗くんの穏やかな顔が変化する。

「あぁ？俺の環奈に手出すとか…殺す」
「えっ？」
「男の特徴を言え」

奏斗くんは、今にも人を殺せるような顔をする。

こ、怖い…。こんな、奏斗くん初めて見るよっ…！