私たちは、私の家へと、歩きながら会話をしていた。

 最初は不良で怖いと思ったけど、話すと案外普通な人なんだぁ…。まあ、不良の事に変わりはないけど。

 「あ、家ここだから…。送ってくれてありがとう」
 「うん」

 廃墟から歩いて数分の距離ですぐ家に着いた。

 「じゃあ、またね」

 私が、家のドアを開けようとした時だった。

 「待って」
 「え?」
 「さよならの挨拶」

 ちゅっ。

 そう言うと、私の頬に優しく手を添えると額にキスをした。

 「へっ!?」
 「じゃあ、また明日な」

 奏斗くんは、なんでもないかのように背を向けて、帰っていた。

 「何だったの!?キスされた…」


 私は、キスされて熱くなってしまった額を手で抑えなが呟く。