私は、藍沢環奈。高校生2年生になる17歳だ。
そんな、私は、自分で言うのもアレだけど私は『美しすぎる』のだ。
自意識過剰だと思うかもしれないけど、自他ともに認める事実なのだから、しょうがない。

絹のような美し黒髪に、まるで宇宙を閉じ込めたよな瞳。完璧過ぎる容姿だ。

告白された数は数え切れないほどある。

そんな、私は同じクラスの友達優奈(ゆうな)ちゃんと一緒に昼休みを過ごしていた。

「ほんっとに、環奈って美しいよね」
「う、うん。まぁね」
「否定しないのね…まぁ、事実だからしょうがないけど」

優奈ちゃんは、お弁当の卵焼きを箸で続きながら言う。
その後も、適当に優奈ちゃんと楽しく会話している時だった。

ガラッ

教室のドアが開き、クラスのみんながそちらに視線を向けて入ってきた人物を見てシーンと、静まる。

入ってきたのは、髪を金髪に染めている顔立ちが整っている男子生徒だった。

「ねぇ、あれってブラックドラゴンの総長、竹内奏斗じゃない！？」
「そ、そうだよな」

ヒソヒソとクラスメイトが話すのを聞いて、私はハッとした。

ブラックドラゴンといえば、この町でもトップの暴走族だ。同じクラスという事は知っていたけど、ずっと学校をサボっているようで、実際に見るのは初めてだ。