翼の折れたエンジェル

「えー⋯⋯」
「ひとつ言えるとしたら、断ったことで、キレたり浮気するような男だったら、さっさと別れるべきね。それだけしか言えないわ」

 部屋に戻り、さっさとシャワーを済ませ、もう眠ろうと思った時のこと。
 何となくつけっぱなしにしてあったテレビでは、「恋人からの手編みのプレゼントはアリかナシか」というインタビューをしており、つい気になってしまった。
 同世代の学生の男の子たちが、
「ないっすねー!」
「ない!絶対ナシ!」
 当然のように言っていた。
 次に、少し年上の社会人の男性も、
「うわ、絶対に嫌ですね」
 それはどうして?との質問に、
「愛が重くて、息苦しいというか」
 次から次へと、いろんな人たちがインタビューに答えていたが、圧倒的にナシという意見ばかりだった。
 おもな理由が、重い、怖い、別れたあとの処分に困る、など。

 今まで、そんなことを意識したことがなかった。