エントランスからの死角には、もうコウちゃんがバイクで来ていた。
「ごめんね!寒いのに待たせちゃって」
「大丈夫。ところで、アリバイ工作は大丈夫だった?」
指でOKマークを作ると、もうすっかり慣れたバックシートに跨り、思い切りコウちゃんに抱きつく。
レンタルビデオ店に寄り、一緒に観る映画を借りたあとは、スーパーでお好み焼きとたこ焼きの材料を買う。
お互い、料理はあまり得意ではないが、こうして彼の部屋で一緒にホットプレートであれこれ焼くのには慣れてきた。
今日、ランダムに選んだ映画は、髪結いの亭主。
小さなソファで肩を抱かれながら観ていたが、気まずいシーンになると、コウちゃんの腕からも、明らかに気まずそうな感じが伝わってくる。
あまりに思いがけないラストには、ただ呆気にとられて、涙も出なかった。
「なんだか⋯⋯不思議な映画だったね」
「ホントね。まさかこんな終わり方⋯⋯」
「ごめんね!寒いのに待たせちゃって」
「大丈夫。ところで、アリバイ工作は大丈夫だった?」
指でOKマークを作ると、もうすっかり慣れたバックシートに跨り、思い切りコウちゃんに抱きつく。
レンタルビデオ店に寄り、一緒に観る映画を借りたあとは、スーパーでお好み焼きとたこ焼きの材料を買う。
お互い、料理はあまり得意ではないが、こうして彼の部屋で一緒にホットプレートであれこれ焼くのには慣れてきた。
今日、ランダムに選んだ映画は、髪結いの亭主。
小さなソファで肩を抱かれながら観ていたが、気まずいシーンになると、コウちゃんの腕からも、明らかに気まずそうな感じが伝わってくる。
あまりに思いがけないラストには、ただ呆気にとられて、涙も出なかった。
「なんだか⋯⋯不思議な映画だったね」
「ホントね。まさかこんな終わり方⋯⋯」



