「また、このご飯ですか、、、」
目の前にあったご飯は味が薄い、とても美味しいとは呼べない病人専用のご飯。
作ってもらえるのはたしかにありがたい。
でも…
「ごめんなさいねぇ…でもこれくらいしか提供できなくて。」
あ、いけない。橘さんは何も悪くない。悪いのはこの病気のせいだ。全て悪いのは………
「橘さんのせいじゃないので大丈夫です。」
私思うの。大丈夫は魔法の言葉じゃない?
大丈夫って言えば何もかも解決したような気持ちになる。 
だから私この言葉が好き。
誰にも迷惑をかけないで済むから。
「じゃあまた何かあったらナースコールで呼んでね?」
「はーい」
やっぱり美味しくないなぁ。
本当はハンバーガーとかピザとか食べたい。
そんなのはこの病気が治らない限りは無理だけど。

ーーーーーーー
朝食を食べ終わり本を読む。
それくらいしかやることがないから。
本を読んだら暇だから寝る。
辛いなぁ…
いつまで続く?
せめて話し相手が欲しい。
看護師さんは私以外にも他の患者さんの相手をしなくてはいけない。
だから橘さんと話すのも緊急事態のときかご飯のとき。
つまんなーい。
誰か隣のベットに来ないかなぁ。
誰でもいいのに。
私はそんな願いをいつも心のなかで思ってる。