「奇妙な道具だな。光る板……どこにも電線がない。」
「あ、いや、それは……もう説明してもわかんないですよね。」
「ふむ、確かにわからん。」
彼は私の制服を一瞥し、少し首を傾げた。
「それにしても、その格好……。まるで未来の兵士のようだ。」
「へ、兵士!? ちがいます、これは学校の制服です!」
「学校?……学生か。珍しいな。」
男は少し考えるように視線を落とし、それから唐突に言った。
「私は――シャーロック・ホームズ。」
空気が止まった。
遠くの鐘の音が、やけに鮮明に聞こえた。
「……………は?」



