Jour de neige ある雪の日の思い出

「ううん。私、同級生に恋するような趣味はないもの」

私は、どうやら昔から渋好みとまではいかなくても、同級生や年下は全く対象外のようだ。

「今、大好きな人に愛されてて、100%幸せだから話せることなんだけど⋯⋯」

「ふぅん⋯⋯それはちょっと聞いてみたいものだね」



私は小学6年生の頃、山形に住んでいた。

5、6年生は、初夏の合宿に加えて、スキー合宿まである。

親の転勤で、それまでは雪の積もるエリアには住んだこともなく、戸惑うことばかりだった。

クラスメイトは、スキーが出来て当然という状態で、初級コースはほんの僅か。

中でも、高所恐怖症の私は、リフトに乗るなんて絶対に嫌だった。

同じく初級の子たちも、2泊3日の合宿の2日目にはもう、平気でリフトに乗っており、どうしようかと思った。

インストラクターのお兄さんは、

「ほら、もうみんな乗ったよ?」