私は、パジャマから制服へと着替えて、洗面所へ行く。
勿論、幽霊も私の後を着いてくる。私は後ろで騒いでいる幽霊を無視して顔を洗い、歯磨きをすると朝食を食べる為にリビングへと向かう。

お父さんは、もう仕事に行ったみたいだった。

｢おはよう。詩織｣
｢うん。おはよう｣

私はキッチンに居るお母さんに挨拶すると、テーブルの椅子へと座り｢いただいます｣と手を合わせると食べ始める。

｢相変わらず、お母さんの料理美味しそうだね｣

幽霊がじっと料理を見つめながら羨ましいそうに言う。
幽霊は食べる事が出来ない。
私はそんな幽霊に見せつける様にして卵焼口に入れる。

｢あぁ〜。良いな〜良いなぁ〜｣
｢ふっふーん、良いでしょ｣

その時だった。

｢学校遅刻するわよ｣とお母さんが言うので時計を見て慌て、立ち上がり｢行ってきます！｣と声を掛けると家を飛び出した。

やっぱり、幽霊も着いてくる。

｢何で着いてくるの？｣
｢だって、詩織ちゃんと離れたくないんだもん｣
｢はぁ〜。アンタって私の事好きなの？｣
｢そうだよ？ずっと、前から言ってるでしょ？それと、僕には雨竜って名前があるんだから、名前で呼んでよ｣

幽霊……雨竜はそう言いながら、私の隣へと並ぶ。

｢気が向いたらね｣
｢え〜。詩織ちゃんの意地悪！！｣

そんな事を話していると、あっと言う間に学校へと到着する。