森を抜ける間、私はレオニードを手に乗せていた。魔力を回復させた直後はうまく飛べないらしい。ふと手の中にいるレオニードを見ると、右手にピンクのブレスレットが輝いていた。
「そのブレスレット、ルシアとお揃いなのね。」
「ルシアも持ってるのか?」
「今も大切にしてるわ。レオニードもルシアのこと、忘れていなかったのね。」
「ま、まぁ……うん……」
ルシアとレオニードが会って話せば蟠りが溶ける。そうなればルシアは元に戻るかもしれない。明るい未来が見えて微笑むと、パチンと何かがはじける音がして、レオニードは丸い水晶玉の中に閉じ込められてしまった。
「なんだよこれ!」
「城へ戻る。」
私はレオニードの入った水晶玉を抱えて魔獣に変わった皇帝陛下の背中に乗った。
「ごめんね、レオニード。すぐ着くから。」
「大変だな、あんたも。」
「セレーヌだ。ちゃんと名前で呼べ。」
「わ、わかったよ。ごめんな、セレーヌ様。」
私は苦笑いするしかなかった。レオニードとの会話は全部聞かれている。
(レオニードと仲良くするのも良くないってことだよね、きっと……)
私はレオニードが入った水晶玉をしっかり抱えながら、優雅に空を飛ぶ皇帝陛下の後ろ姿を見つめた。
「そのブレスレット、ルシアとお揃いなのね。」
「ルシアも持ってるのか?」
「今も大切にしてるわ。レオニードもルシアのこと、忘れていなかったのね。」
「ま、まぁ……うん……」
ルシアとレオニードが会って話せば蟠りが溶ける。そうなればルシアは元に戻るかもしれない。明るい未来が見えて微笑むと、パチンと何かがはじける音がして、レオニードは丸い水晶玉の中に閉じ込められてしまった。
「なんだよこれ!」
「城へ戻る。」
私はレオニードの入った水晶玉を抱えて魔獣に変わった皇帝陛下の背中に乗った。
「ごめんね、レオニード。すぐ着くから。」
「大変だな、あんたも。」
「セレーヌだ。ちゃんと名前で呼べ。」
「わ、わかったよ。ごめんな、セレーヌ様。」
私は苦笑いするしかなかった。レオニードとの会話は全部聞かれている。
(レオニードと仲良くするのも良くないってことだよね、きっと……)
私はレオニードが入った水晶玉をしっかり抱えながら、優雅に空を飛ぶ皇帝陛下の後ろ姿を見つめた。



