「あぁ楽しい!こんなに話したのは久しぶりだわ!」
「ふふふ。私もよ。」
思えば、ヴァルドラードに来てから女の子と話したのは初めてだ。ルシアを元に戻せるのか、ロシュフォールたちを元に戻せるのか、まだわからない。でもルシアから聞いた話を皇帝陛下に伝えれば、きっと何か手掛かりがつかめるはずだ。
「それで、セレーヌはいつ結婚するの?」
「えぇっ!?」
突然聞かれて声が裏返ってしまった。
「驚かなくてもいいでしょ?そんな甘々な結界作ってもらってるんだから。セレーヌが結婚するまでに元に戻れたら良いなぁ。私も祝福したい。」
私は期限付きの婚約者。結婚できるかどうかは──
「きゃあ!セレーヌ、早く帰って!」
「どうしたの?」
「あいつが迎えに来てるの!これ以上封印を強くされたらたまらないわ。こっち来て!」
ルシアの勢いに押されて後をついていくと、ピンク色のアンティークな扉が佇んでいた。
「ここから出れば泉の外へ出られるわ。外に出たら振り返って場所を覚えておいて。次に来た時は勝手に入って来て良いから!いつでも待ってる。」
取手に手をかけて扉を開くと、隙間から淡い光が舞い込んできて光のオーラに包まれた。足を踏み出して振り返ると、ルシアがにこやかに手を振っていた。
「また来てね、セレーヌ!」
「うん、またね!」
手を振ってパタンと扉を閉じると、30センチほどの小さな白い扉が岩肌に埋め込まれていた。
「こ、ここから出てきたの!?」
部屋を出た時の扉は、自分の背丈よりも大きかったはず。ルシアの部屋では、私の体が小さくなっているのかもしれない。
「精霊って小さいのね。」
すると、強い風が吹いてきて落ちている葉を巻き上げた。ぞくりとするほど強い魔力が旋回している。
(帰らなきゃ。)
私は目の前の草をかき分けて、泉のほとりへ向かった。
「ふふふ。私もよ。」
思えば、ヴァルドラードに来てから女の子と話したのは初めてだ。ルシアを元に戻せるのか、ロシュフォールたちを元に戻せるのか、まだわからない。でもルシアから聞いた話を皇帝陛下に伝えれば、きっと何か手掛かりがつかめるはずだ。
「それで、セレーヌはいつ結婚するの?」
「えぇっ!?」
突然聞かれて声が裏返ってしまった。
「驚かなくてもいいでしょ?そんな甘々な結界作ってもらってるんだから。セレーヌが結婚するまでに元に戻れたら良いなぁ。私も祝福したい。」
私は期限付きの婚約者。結婚できるかどうかは──
「きゃあ!セレーヌ、早く帰って!」
「どうしたの?」
「あいつが迎えに来てるの!これ以上封印を強くされたらたまらないわ。こっち来て!」
ルシアの勢いに押されて後をついていくと、ピンク色のアンティークな扉が佇んでいた。
「ここから出れば泉の外へ出られるわ。外に出たら振り返って場所を覚えておいて。次に来た時は勝手に入って来て良いから!いつでも待ってる。」
取手に手をかけて扉を開くと、隙間から淡い光が舞い込んできて光のオーラに包まれた。足を踏み出して振り返ると、ルシアがにこやかに手を振っていた。
「また来てね、セレーヌ!」
「うん、またね!」
手を振ってパタンと扉を閉じると、30センチほどの小さな白い扉が岩肌に埋め込まれていた。
「こ、ここから出てきたの!?」
部屋を出た時の扉は、自分の背丈よりも大きかったはず。ルシアの部屋では、私の体が小さくなっているのかもしれない。
「精霊って小さいのね。」
すると、強い風が吹いてきて落ちている葉を巻き上げた。ぞくりとするほど強い魔力が旋回している。
(帰らなきゃ。)
私は目の前の草をかき分けて、泉のほとりへ向かった。



