「それよりドレイク、ルシアが悪の精霊に変わったことは知っているか?」
「あぁ。以前は精霊たちも森の泉へ行っていたからな。」
「ここが源泉だったのか。」
「そうだ。すべての泉へここから水が送られている。」
ドルレアンの泉はキラキラと輝いている。かつては森の泉も輝いていた。だが、ルシアが悪の精霊になったせいで今は自分で浄化をしている。
「どうすればルシアを元に戻せるんだ?何度聞いても教えないと言われ、女と話したいと言って俺の婚約者を泉の中へ連れて行った。」
アルフォンスの体から白い煙がうっすらと立ち上り始めて、ドレイクは慌てて魔力を放った。
「ずいぶん婚約者様のことが好きなんだな。」
「そんなはずはない。あいつも側近たちと同じように、大切な存在というだけだ。」
「では聞くが、仮に婚約者様が先代の後宮に入ると……」
「そんなことさせるわけないだろ。」
食い気味に力強い言葉が口から飛び出して、アルフォンスは口を押さえた。
「そういうことだ。嫉妬や憎悪の感情は魔力を増幅させる。祝福を受けた皇帝は魔力を自力で操れるようになるはずだが、魔力が不安定なのは婚約者様への思いが強いせいだろうな。」
「セレーヌは戻ってくるのか?ルシアのところから。」
「悪の精霊になると他の精霊に会えなくなる。ルシアは話し相手が欲しいだけだ。話が済めば戻ってくる。」
「……そうか。」
アルフォンスは息を吐きだした。
「セレーヌ様と仰るのか。気をつけろよ?お前は自分が思っている以上にセレーヌ様に対する愛が強い。」
「自覚はない。」
「せめて自覚をしろ。独占欲が最初に表れる。そのうちルシアのように封印したいなんてことを思うようになるだろう。」
「ばかな。」
アルフォンスの脳裏に浮かんだのは、言葉では言い表せないちょっと危険な夜の光景だった──
「早速、変なことを考えてるな?」
「……何も考えてない。」
「自分の体を見ろ!煙が出ているだろ?お前はセレーヌ様が好きなんだ。自覚をしろ、自覚を!」
ドレイクは文句を言いながらアルフォンスに魔力をかけた。
「あぁ。以前は精霊たちも森の泉へ行っていたからな。」
「ここが源泉だったのか。」
「そうだ。すべての泉へここから水が送られている。」
ドルレアンの泉はキラキラと輝いている。かつては森の泉も輝いていた。だが、ルシアが悪の精霊になったせいで今は自分で浄化をしている。
「どうすればルシアを元に戻せるんだ?何度聞いても教えないと言われ、女と話したいと言って俺の婚約者を泉の中へ連れて行った。」
アルフォンスの体から白い煙がうっすらと立ち上り始めて、ドレイクは慌てて魔力を放った。
「ずいぶん婚約者様のことが好きなんだな。」
「そんなはずはない。あいつも側近たちと同じように、大切な存在というだけだ。」
「では聞くが、仮に婚約者様が先代の後宮に入ると……」
「そんなことさせるわけないだろ。」
食い気味に力強い言葉が口から飛び出して、アルフォンスは口を押さえた。
「そういうことだ。嫉妬や憎悪の感情は魔力を増幅させる。祝福を受けた皇帝は魔力を自力で操れるようになるはずだが、魔力が不安定なのは婚約者様への思いが強いせいだろうな。」
「セレーヌは戻ってくるのか?ルシアのところから。」
「悪の精霊になると他の精霊に会えなくなる。ルシアは話し相手が欲しいだけだ。話が済めば戻ってくる。」
「……そうか。」
アルフォンスは息を吐きだした。
「セレーヌ様と仰るのか。気をつけろよ?お前は自分が思っている以上にセレーヌ様に対する愛が強い。」
「自覚はない。」
「せめて自覚をしろ。独占欲が最初に表れる。そのうちルシアのように封印したいなんてことを思うようになるだろう。」
「ばかな。」
アルフォンスの脳裏に浮かんだのは、言葉では言い表せないちょっと危険な夜の光景だった──
「早速、変なことを考えてるな?」
「……何も考えてない。」
「自分の体を見ろ!煙が出ているだろ?お前はセレーヌ様が好きなんだ。自覚をしろ、自覚を!」
ドレイクは文句を言いながらアルフォンスに魔力をかけた。



