「あの魔力は手を繋がなくても使えるんだけどなぁ……はは、あははは。」

 執務室から庭園を見ていたランスロットは口を押さえた。

「さぁ、いよいよでしょうか。結婚の準備でもしておこうかな~」

 ランスロットは鏡を丁寧にしまってぴょんぴょんと飛び跳ねた。

 ♢♢♢

(気のせいだったのか?)

 セレーヌを部屋まで送り届けたアルフォンスは自分の手を見つめた。セレーヌが森にいる時、森の魔力が揺らいでいる気がした。でもロシュフォールですら気づかないほど軽微なものだった。セレーヌの魔力のせいなのかと思ったが、それも違った。

(何もなければ良いが……)

 アルフォンスは庭園の奥にある森へ視線を向けた。