「……少し出てくる。」

 執務室で机に向かっていたアルフォンスは、突然立ち上がって執務室を出て行った。

「今日は公務はなかったはず……何かあったのでしょうか。」

 ランスロットは机の上にある魔法の鏡を手に取った。

「鏡さん、陛下がどこへ行かれたのか教えてください。」

 魔法の鏡は光を放ち、森の中を走るセレーヌの姿を映し出した。

「セレーヌ様!?どうして森に!?」

 アルフォンスは、セレーヌが森へ入ったことに気づいて森へ向かったに違いない。

「結界を通れたってことか?鏡さん、セレーヌ様はどうして森へ向かわれたのですか?」

 再び鏡が光を放つと、ランスロットは硬直してその場にパタンと倒れた。