庭園へ向かうセレーヌの後ろ姿を見ながら、セレーヌの父ジーベルトは汗をぬぐった。

「セレーヌはなんともないのか?」

 客間の中は恐ろしいほどの魔力で満たされていた。息苦しさを感じるほどだったが、セレーヌは平気なようだ。

「あの魔法石か!」

 セレーヌは魔法石のついたペンダントを身に着けていた。魔法石のおかげでセレーヌは苦しくならないのだろう。

「ランスロット様……ではないな。」

 ジーベルトは国王イグナシオとランスロットがいる客間の扉をじっと見つめた。