セレーヌを書庫へ案内したランスロットが執務室へ戻ると、アルフォンスは少し慌てた様子で引き出しを閉じた。

(ん?)

「陛下、セレーヌ様を書庫にご案内しました。」
「……あぁ。」

(何か隠した?)

「紅茶をとても喜んでおられました。」
「そうか。」

「陛下はなぜセレーヌ様が望む紅茶がわかるのですか?距離が離れている相手の心を読む魔力なんてありませんよね?」
「なんのことだ。早く今日の書類を持ってきてくれ。」

(怪しい……)

 アルフォンスは何かを隠している。ランスロットはモヤモヤしながら執務室を出た。