星の花が降るころに①

                      
「えー、皆さん、本日は大変寒い中…」
                      
演壇に立ったおじさんのありがたい(?)話を聞き流しながら袖をちりちりといじっていると、カバンがぶるっと震えた。

カバンの中からスマホを取り出すと、『Natsumi 2件のメッセージ』の通知がポップアップする。

『Natsumi』というのは、中1の時まで私の親友だった、あの夏実だった。

メッセージアプリに登録された夏実の連絡先は、私が大人になって新しい友達ができるとともにどんどん下に押しやられていってしまった。

通知をタップすると、夏実からのメッセージが現れた。

『久しぶり』

『同窓会って7時半からだよね?その前にちょっと話したいことがあるから、7時前くらいに駅前のmimi(ミミ)っていうカフェで話そう』

8年前から微動だにしていなかったデフォルト設定のままの水色のトーク画面には、夏実からのメッセージと共に『mimi』の位置情報が添えられていた。

少し逡巡(しゅんじゅん)したけど、私は『わかった。』とだけ吹き出しを投下してスマホをカバンにしまった。