星の花が降るころに①

                         
「おぉ…ありがとうございます!」
                         
ヘアメイクと振袖の着付けを終えた私は鏡越しでスタイリストさんにお礼を言った。

至って普通のまとめ髪に、大きなパールがあしらわれた髪飾りがついている。

振袖は私の名前の『愛都(まなつ)』をイメージして、青を多く取り入れたデザインだ。その上に白いファーを羽織って完成。

「どういたしまして。成人式、楽しんできてください。」

サロンから出ると、冬の冷たい空気と「愛都ー!」と私を呼ぶ声が私を迎えた。

夏奈(なつな)!」

大学でできた地元が同じ友達である夏奈もヘアメイクをすませて、水色の振袖を着ている。

彼女は普段、肩よりやや長いストレートヘアだけど、その髪は後頭部でひとつに束ねられて玉ねぎヘアになっていた。

「行こ、おくれちゃう」

夏奈は紺色のネイルがあしらわれた手で私の手を取ってバス停に向かう。

私の動きに合わせてばたばたとはためく長い袖を押さえながらバス停にたどり着いてベンチに腰を下ろそうとすると、ちょうどそこで図ったかのようにバスがやってきた。

「きらめきホールだっけ、成人式会場。」

私が5人掛けのベンチシートに腰かけると、隣に腰かけてきた夏奈がそう質問してきた。

「そうそう。10時からのはずだけど…今9時10分だし大丈夫でしょ!」

私はカバンからスマホを取り出して時刻を確認する。

「愛都は中学の同窓会とかあるの?」

「うん。今日の晩は中学の同窓会。」

そう夏奈に返事した私の頭に思い浮かんだのは、長い間会っていなかった戸部君と夏実の姿だった。

「わたしも今日中学の同窓会なんだよね。偶然!」

ころころと笑う夏奈の姿を見ていると、夏実と笑い合った小学生の時の記憶、そして戸部君との記憶がぶわっと波のように押し寄せてきた。